まさかの星花リバイバル
『陸の誕生日』
第九回 2024.04.29
「えーっ、ママよりお兄ちゃんって言ったの?」
 涼とあきらが、実紅と子供たちに会いに来ると、必ず俺も巻き込まれる。
「そうだよ、誕生日だから何か欲しいものがないかって聞いたら、お兄ちゃんだと。」
 どうしてあの二人は惹かれ合ったのだろう?
「零はね、陸がお腹の中にいたときから、陸が生まれてくるのを一番楽しみにしていたの。…裕二さんよりも。」
 そうか、2人は魂の段階で惹かれ合っているのか。
「なら、どうして同性で生まれ落ちたんだろう?」
「だから、惹かれ合うのかもしれない。」
 …今まで黙っていた涼がぽつりとそんなこと言うと妙に説得力がある。
「でも、相変わらず陸の誕生日会は拒否されているの?」
 そうなんだ、陸の誕生日会をやりたいと言っているのに家族がやってくれるからいらないって言うんだ、腹立つ。
「なら…」
 あきらの提案は、いつも陸が怒っている内容だった。
星花番外の再掲です  つづく