| 12月31日。 
 ぴぴぴぴぴ
 じりりりり
 ぴろぴろぴろ…
 部屋のここかしこにある合計5個の目覚まし時計が一斉に鳴り出した。
 「零、あと五分で新年だよ。」
 その途端何を思ったのか、零は僕を抱きすくめ、お姫様抱っこをしてベッドルームに運び込んだ。
 「新年も陸への愛を誓うよ。」
 なんて、気障な台詞を吐いた割にはやっていることはいつもと変わらない。
 簡単に着衣を脱がされ(抵抗しない僕もいけないのだろうか?)、敏感な部分は零の掌の中で弄られていた。
 「ん、あんっ」
 そして直ぐに喘ぎ声が出る自分に腹が立つ。
 片手でアナルにゼリーを塗り込む、もう手慣れたものだ。
 「ああんっ」
 もの凄い存在感で僕を襲ったのは勿論零のペニス、既に充分育っている。いや、育ちすぎだ・・・。無言で抽出を繰り返す。
 部屋には僕のあられもない喘ぎ声が響く。
 「い…やぁ」
 「何が嫌なんだ?」
 そんなことだけ聞いている。
 「零…も、声…聞きたい、あんっ」
 零が僕を抱くとき(ほぼ毎日だが)は、あまり声をださない。
 「陸のかわいい声に僕の声がかぶってもちっとも楽しくないからね。」
 そう言われ、再び僕は突き上げられ歓喜の悲鳴を上げる。
 
 
 「もうもうっ、新年の挨拶もしていないのに零ったらぁ!」
 すでに時計は1月1日の午前2時を回っている。あらわになった肌を合わせたまま、僕は零に文句を言う。
 「陸の家は礼節に関してはきっちりしているよな、ちゃんと日の出前に起きて皆で初日の出を見るんだろ?それから朝は揃ってお節料理食べて、おじいちゃんからお年玉もらって午前中のうちに初詣で
 に行って、午後からはお客さんの相手してたよな。」
 「うん。何か変なの?」
 「うちはやらなかったから。涼ちゃんとあきらちゃんは二人きりで部屋から出てこないし、実紅も夾も大晦日起きてるから朝寝てるし。だから僕は一人で防音ルームでギター弾いてたりビデオで映画観た
 りしていた。」
 「寂しいね。」
 僕は本当にそう思った。だって零にとっても新年なのに。
 「仕方ないよ、涼ちゃんとあきらちゃんは愛の確認しているから。」
 確認?
 「セックスしてた。」
 何で知っているの?
 「覗いてたから知っている。」
 覗き?・・・聖の覗きは遺伝なんだね、もう文句言えないじゃないか。
 はっ!
 「だから朝から?」
 「うん。僕も陸と恋人になれたらって、憧れていたんだ。夢が叶ったって感じだね。」
 そうか、零の夢だったんだね、じゃあ仕方ないか。
 「あけましておめでとう。今年もよろしく。」
 
 
 <〜暁の・・・〜>END
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