レベル7
第四話  少しプラス
 頭の下で
 ボコン
と音がした。
 だるい頭で目を開けたら僚摩が目の前にいた。
 いつもは別々に布団を敷いて寝るのに、どうしたんだろうと考えた。
「ヤったっけ?」
 頭を動かしたらタオルが落ちてきた。
 ―そっか、頭痛くて寝てたんだ―
 僚摩の寝顔を見つめた。
 知らずに顔がニヤケてしまう。
 手に入れたいと、ずっと願っていた。
 しかしどうやって手に入れたらいいのか、全く分からなかった。
 だから見ていることしかできなかった。
 僚摩から近づいて来ることは無かった。
 拓真に運があれば、必ずチャンスが訪れると待つばかりだった。
 別れが近づいて焦った。
 焦ってしくじった。
 だから追いかけた。すべて失うことを覚悟して、追いかけた。
「何ニヤニヤしてんだ?」
 僚摩が目を開けた。
「僚摩が隣にいる。」
 いつもは別々の布団で寝ている。就寝時間が違うからだ。
「もの凄く、したい。」
「バカ、治ってからだ。」
「やだ、したい!」
 フェイスタオルが落ちた。
 僚摩の上にのしかかり、唇を重ねた。
「んっ」
 僚摩の舌を吸いながら、下着の中に手を突っ込む。
 抵抗していた腕が、拓真の背に回された。