| 頭の下で ボコン
 と音がした。
 だるい頭で目を開けたら僚摩が目の前にいた。
 いつもは別々に布団を敷いて寝るのに、どうしたんだろうと考えた。
 「ヤったっけ?」
 頭を動かしたらタオルが落ちてきた。
 ―そっか、頭痛くて寝てたんだ―
 僚摩の寝顔を見つめた。
 知らずに顔がニヤケてしまう。
 手に入れたいと、ずっと願っていた。
 しかしどうやって手に入れたらいいのか、全く分からなかった。
 だから見ていることしかできなかった。
 僚摩から近づいて来ることは無かった。
 拓真に運があれば、必ずチャンスが訪れると待つばかりだった。
 別れが近づいて焦った。
 焦ってしくじった。
 だから追いかけた。すべて失うことを覚悟して、追いかけた。
 「何ニヤニヤしてんだ?」
 僚摩が目を開けた。
 「僚摩が隣にいる。」
 いつもは別々の布団で寝ている。就寝時間が違うからだ。
 「もの凄く、したい。」
 「バカ、治ってからだ。」
 「やだ、したい!」
 フェイスタオルが落ちた。
 僚摩の上にのしかかり、唇を重ねた。
 「んっ」
 僚摩の舌を吸いながら、下着の中に手を突っ込む。
 抵抗していた腕が、拓真の背に回された。
 
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