レベル7
第十話  日曜日
 拓真は土曜日も休みだ。しかし僚摩は日曜日しか一日中家に居る時間がない。



 拓真はデートしたいと思っているが、僚摩と布団の中でくちゅくちゅしているのも好きだ。



 僚摩は休みには家の中の事を片付けたいと思っているが、拓真と昼くらいまで惰眠を貪るのも好きだ。



「何時?」
「十一時十七分」
「…細かいな…」
「じゃあ十一時」
「腹減った」
「え…」
 …
 …
「なんだよ?」
「なんでもない」
「言いたいことがあるなら言ってくれ」
「なんでもないよ」
 …
 …
「なら…」



 拓真は思った。
 日曜日の朝くらい、したっていいだろ?
 僚摩は思った。
 日曜日の朝は絶対にイヤだ。なら土曜日の夜だ。



 言い出せない拓真の負け。
 渋々布団から這いだしてブランチの準備を始める。
 僚摩は布団を上げて掃除を始める。
 これから出掛ける先は、色気のないスーパーマーケット。
 拓真は少し、料理が上手になった。
 僚摩は少しだけ、拓真の気持ちを考えるようになった。



「今夜ならいーよ。ただし一回だけな。」