| 「すげー」 拓真は嬉々として夕餉の席に着いた。
 部屋出しの食事は贅を極めていた。
 「全部食べられるかな?」
 本当に楽しそうだ。
 今回、車を出さなかったのは美味しい酒を呑む為。
 それ同時にどちらかが疲れたりしないように配慮した。
 「さっきは大浴場へ行ったから次は露天に行かないか?」
 僚摩は普通に拓真を誘った。
 「あ、それは10時過ぎにな。」
 僚摩は深くは考えずに頷いた。
 
 
 「ちょ…っ、待て…って。」
 二人が宿泊している旅館は夜10時以降、露天風呂が貸切に出来る。
 それを良いことに拓真はさっきからずっと僚摩に悪戯を仕掛けている。
 「こんな…所じゃ…イヤだ」
 僚摩の上半身は真っ赤に染まり、下半身は敏感に反応している。
 「んっ」
 露天なので当然屋外。声が出せない分、拓真は僚摩にそそられっ放しだ。
 拓真の指の動きだけで、二度も精を放った。
 「僚摩も溜まってたんだな」
 耳元で囁く。
 「…ったりまえだろ」
 怒ったような声が返ってきた。
 「我慢、できねーよっ」
 僚摩がそう言うのを待っていたように、腰を抱き寄せ、湯船の中で胡坐をかいた脚の間に引き寄せた。
 「だからっ」
 抵抗するもむなしく、膝の上に座らされた。
 「楽しみは布団の中でな。…良い啼き声、聞かれたくないし。」
 僚摩は拓真の腕の中で暴れたが、なかなか解放してもらえなかった。
 
 
 
 ちなみに、その後拓真は湯あたりしてしまい、結局何もせずに朝を迎えた。
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