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 かえで【楓・槭樹】
 《「かえるで(蛙手)」の音変化》1 カエデ科カエデ属の落葉高木の総称。葉は多くは手のひら状に裂けていて
 、秋に紅葉または黄葉する。実には翼がある。イロハカエデ・トウカエデ・イタヤカエデ・ミネカエデ・カジカエデ
 ・サトウカエデなど。園芸品種も多い。材は器具・家具用。砂糖をとる種類もある。もみじ。かえでのき。《季
      花
 =春 紅葉=秋》「紅―深し南し西す水の隈/几董」2 襲(かさね)の色目の名。表も裏も萌葱(もえぎ)色のもの
 。3 紋所の名。1の葉を図案化したもの。4 子供や女の小さくかわいらしい手。[
      大辞泉(小学館) 提供:JapanKnowledge ]
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 「子供の手に例えられることがあるけど、蛙の手だったんだ」
 結果を見ながら尚敬が感心している。
 「かえでがどうかしたのか?」
 「黄色く色付いていたからさ」
 東京にも秋がやってきたのか。
 「新宿御宛にでも行く?」
 「デートに誘われた」
 尚敬は微笑んだ。でも瞳に陰が射す。
 「それがさ…」
 こんどは朱が射す。
 「昼間から言うことじゃ、ないんだけど…」
 躊躇する。
 僕は尚敬の下半身に手を伸ばしそっとジーンズの上から形をなぞる。
 耳元で「犯して欲しい?」と囁いてみる。
 「…優しく、して。」
 尚敬から誘うなんて珍しい。
 抱き寄せ、口付け、ベッドに導いた。
 そんなときの尚敬は生娘のような仕草で恥じらう…生娘と寝たことないからこの例えが正しいかどうか分か
 らない。
 でも生息子を抱いたことはある、今腕の中にいる本人だ。
 結局尚敬に終始するのか…。
 珍しく尚敬から欲望を顕著にしたそれを、そっと手のひらに包む。
 「由弘…焦らさないで」
 なんだか、いつもと違うな。ドキドキする。
 こんな尚敬もいいな…なんて思ってしまった僕はバカかもしれない。
 バカでもいいや、いまこうして尚敬が腕の中で歓喜の声をあげている。
 たまにはこんな日曜日があったって良い。
 気が済むだけ抱き合ったら、きっとまた夕飯の買出しに出掛けるんだから。
 スーパーの横にあるお稲荷さんでは楓の木をライトアップしている。陽が落ちてから買い物に行ってみよう。
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