| ども、城です。 父親が城マニアでそのまま城って字を名前にしくさった、全然捻りのない親を持った可愛い男の子です。
 …て、要らぬ独り言を言ってしまった。
 心君のせい(お陰とは言いたくない)で、悠希と二人っきりになってしまいどうしたらいいか解らないために
 独り言でごまかしました。
 はぁ〜
 「城、」
 ビクッ
 身体が過剰に反応した。
 大体心君が悪い!
 付き合って半年で既にセ…なんて。
 …本当かな?ただ単にボクをからかったんじゃ…。
 でもこの間悠希が初心者マークだからムリだって言っていたしね。うん。
 「具合でも悪いのか?」
 「ううん、何でもない!」
 と言いつつも実は背中に汗かいている。
 「城君、君可愛いね。オレと付き合わない?」
 え?悠希何言って…
 ギュッと抱きしめられた。
 「なーに緊張してんの?大丈夫だよ、とって食ったりしないから…ん?食ってほしい?」
 「欲しくないっ!!」
 腕の中でじたばたしながら、でも居心地が良くて背中に腕を回してみる。
 トクントクン…
 悠希の心臓の音が早い。
 「なーんだ、悠希も緊張していたんだ。」
 「うん。」
 抱き締める腕に力がこもる。
 「城…好きだよ。」
 「うん。ボクも。」
 悠希の笑顔が好き、話し方もすごく安心できるから好き、声のトーンが好き、抱きしめてくれるこの腕の力強さが
 好き、ボクを好きになってくれるところも好き。
 「だーい好き。ありがとうね。」
 ボクは両手で悠希の頬をつかむ。
 そして素早くその唇に自分の唇を重ねるとさっと離す。
 「じょう…」
 お願い、何も言わないで。
 ドキドキする。
 悠希とキス、しちゃった。
 次の瞬間、悠希はボクのうなじに手を掛け、グッと引き寄せられ…。
 「んっ」
 え?なになに?ちょ…。
 ボクの口内で悠希の舌が暴れている。
 息、出来ない。
 「んっ…んっ」
 苦しい。
 悠希の胸に拳を当て、トントンと何度か叩いてみる。
 やっと、唇が離れたと思ったら今度はギュッと抱きしめられた。
 「反則…もう抑え効かないからな、覚悟しろよ?」
 え?
 「城はさ、オレがどれだけキミのこと好きか、知らないだろ?じっくり、たっぷり教えてやるからさ。」
 不敵に笑った悠希は、もう一度息の出来ない苦しいキスをした。
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