「ねぇ、聞いた?」
城君が嬉々として話す。
「紅白に出るには武道館2日間満員のライブなんだって。」
「どこ情報?」
「Yahoo!」
「はぁ〜ん」
「何?心ってば驚かないわけ?」
あ、城君怒ってる、僕のこと呼び捨てだ。
「だって今の時代武道館でライブって古いよ?ドームツアーとか競技場ツアーとかじゃないかな?」
すると明らかに分かる意気消沈気味。
「そーかぁー。ACTIVEと共演のチャンスなのになぁ。」
「ACTIVEとは歌番組で一緒になるのに?」
「うーん、でもさぁ、紅白って特別なんだよね。日本人なら必ず一度は見ているでしょ?」
確かに言われてみればそうかもしれない。
「じゃあ、今年は頑張ろうね。まずは僕らの人気を何とかしないと。」
「そうだった。神宮寺君と悠希におんぶにだっこじゃあね。」
そうそう、その意気。
daysは城君が元気一杯だから輝けるんだよ。
…とは、本人には言わない。言うと
「じゃあ心君の立ち位置は?」
って聞かれるから。
僕の立ち位置なんてどうでもいい、神宮寺君と常に一緒に居たいだけだから。
「それ、ダメだと思う。」
え?
「僕は関係ないって顔してる。」
バレてる。
「心君はなんでアイドル目指したの?」
「カッコいい人が多いから…」
「多いから?」
「僕…昔から男にしか興味ないんだ。ここなら理想の人に会えるかと思って。出会っちゃったから他はどう
でもよくなっちゃった。」
「ボクにはファンの前では笑えとか言うのに?」
うん…とは言えずに首を縦に振った。
「あのさ、daysが人気出ないと悠希とは一緒に居られなくなると思うんだ。そうなると心君も神宮寺君とは
離れなければならないと思う。ボクたちがキラキラに輝かないと神宮寺君も悠希も輝かない。理由は解ら
ないけどそう思う。」
最近、城君は変わった。
「うん、そうだ。ごめん。」
やっぱりdaysのキーパーソンは城君だ。 |