| ずっと、悠希がソワソワしている。 夢だったコンサートが出来るんだから嬉しいんだろうな。
 ボクの夢は悠希の隣に居ること。
 …アイドルになろうと思った時は別の夢があった。
 だけど、悠希に会ったらそんなことどうでも良くなった。
 …テレビに映ってみたいなんて、夢とも違う気がするけどさ。
 あれ?でも、なんでテレビに映りたかったんだろう?
 「悠希は西村先輩みたいになりたかったからアイドルを目指したんだよね?」
 「そう。あんな風にカッコ良く踊れたら楽しいだろうなぁって。城は?」
 う、墓穴掘った。
 「なんとなく」
 「テレビっ子で目立ちたかったって、言ってなかったっけ?」
 突然、ボクらの会話に割って入った心君。
 あーあ…。
 「…うん、テレビに映りたかっただけ…」
 「いいんじゃない?そういう動機でも。芸人さんにそんな理由の人が居たような気がする。」
 と言ったのは、神宮寺君。
 「んー、城も心君も、可愛いからテレビに映ってても誰も文句は言わないだろうな。」
 え?
 「でもdaysのファンは神宮寺君と悠希が圧倒的だって…」
 そう、増上さんから聞かされた。
 「あれ?オレたちは心君と城だって聞いた。」
 やられた。
 「なら、答えは一つ。daysの時代を作ればいい。」
 神宮寺君がさらりとそう言った。
 そうだ、ボクらは誰の背中も追わずに頂点を目指そう。
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