| 心君は現在高校一年なので再来年、ボクは高校二年なので来年、神宮寺君と悠希は今年の十月。 「え?今年?」
 「なに?どうしたの?」
 「いや、神宮寺君と悠希は今年の十月に大学受験なんだね?」
 「そうだよ。」
 心君はケロリとして言う。
 「あの二人、頭良いもん。」
 ガーン
 「ボクだけか、足引っ張ってるのは…」
 高校くらいは卒業したいと思っていたけどそれ以上は見据えていなかったから大学受験と言われてもピンと来ない。
 「…あのさ、城君は桧川君と話してないの?どこへ行くか。」
 ん?
 「だから、同じ大学とか…」
 …
 …
 !!!
 「そーか、同じ大学!」
 「え?」
 「なに?」
 「いや、何でもない」
 心君の言いたいことはわかる、そんなことにも気付かなかったのかって。
 「悠希とボクは得意なことが違うんだ。」
 「だったら桧川君に合わせてもらえばいいのに。」
 余りにも的を得た言葉に愕然とする。
 「神宮寺君は合わせてくれるんだ?」
 コクリ
 嬉しそうにハニカみながら頷く。
 ボクも聞いてみよう、悠希に。
 『文学部』に通えるかどうか。
 
 
 「受験?社長から音大へ行くように言われてる。」
 「え?指示があるの?」
 「城はないの?」
 「まだ具体的には。」
 来年?年明け?
 ドキドキしてきた。
 「多分…」
 悠希がボクの肩に手を置いて言う。
 「城も音大…の、体育学部にダンス科があるって知ってる?」
 「知らないっ、何それ?」
 「メインはダンスだけど、音大だから音楽に関する勉強に重点が置かれるんだって。歌も勉強できるし楽器も
 出来るそうなんだ。ちょっと興味がわくだろ?」
 「うん」
 明日、学校へ行ったら調べてみよう。楽しみになってきた。
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