第四十一話  監禁2
「ん…ああん…」
 ギシッギシッ…
 暗闇の中で聞こえるのは、金属が軋む音と低い喘ぎ声。
 時々肉と肉がぶつかり合う、淫靡な音がした。
「あっ、あっ…」
 ギシッギシッ…
「あうっ、イクぅっ!」
 ギシッギシッ…
「イヤ…あ…」
 一定のリズムで金属の音は鳴り続ける。
「お願い…」
 ギシッギシッ…
 鳴り止まない軋む金属音。
「ごめんな…これで最後だから…」
 ギシッギシッ…
「止めない…から」
 ギシッ…
「止めない?何を?」
「尋之とは死ぬまで一緒にいたいんだ!一生、支えていて欲しいんだ!」
「監禁して強姦するような男とか?」
「僕が納得していれば問題はないだろ?」
「オレは納得できないんだよ!」
「なら…」
 ドクン
 尋之の心臓が大きく鳴った。
「なんで泣きながら僕を犯してる?」
 途端に涙がこぼれた。


「それで話し合いか。ここに俺はいなくても良い気がするが。」
「いえ、いて下さい」
 南中道は尋胤のマンションに仁志と尋之を呼びつけた。
「男と女の関係には日本にはややこしい法律があって一対一が義務づけられていますが、幸い僕らの関係に女性はいません。なら好きな人同士、好きなときに会えばいいんじゃないかと思うんです。僕は仁志先生を抱きたい、けど尋之に抱かれたい。尋胤さんも仁志先生を抱きたい、先生は?先生も二人に抱かれたいんでしょ?僕じゃ物足りないはずだから。」
 仁志の肩が微妙に揺れた。
「尋之はまだ僕と別れたい?どうしても一人に拘る?」
「こだわらない!」
 嫉妬心より愛情が勝った。
 そして奇妙に歪んだ関係が始まった。