南城としては何とも複雑な気持ちだ。好きな人と結ばれるにはライバルと交わらなければならないなんて。
「なんだよ、これ…」
南中道、仁志そして南城の三人で散々セックスした翌日、南中道から南城の携帯電話にメールが届いた。
『先生はもういいから』
たった数文字の内容だが、南城はそこに隠れている意味を理解した。つまり、仁志と南中道は二人で会う、二人だけでセックスする、南城は不要…ということだ。
南中道を手に入れたい…それが南城の今の望みだ。
しかし。仁志と南中道は会っていなかった。
「あれ?部長は?」
南城は部室に入るなり、南中道を探した。
「休み。乗馬クラブの馬が怪我したんだってさ。」
尋之が興味なさそうに答えた。
「部長乗馬なんかやってたんですか?」
南城はまだ尋之の前では猫をかぶっていた。
「南城」
尋之の視線が南城に突き刺さる。
「真人と寝ただろ?」
ビクッと身体が跳ねた。
「分かりやすいな。真人がそんなに好きか?」
「はい」
躊躇いもなく平然と答えた。
「なんで、真人なんだ?」
「これって女性に使う言葉なんですけど小悪魔みたいだからです。騙されてみたい。もう騙されましたけど。」
へへっと照れくさそうに笑った。
「オレとも寝てみないか?ま、正確にはオレに抱かれろってことだ。」
南城は困惑した。否定したら南中道と会えなくなりそうだ、肯定したら…痛い。
「じゃあ…」
南城は余裕綽々の態度で返事をしようとジェスチャーまでつけて口を開いた時だ、尋之の舌が口の中に侵入し、器用にベルトを外しズボンを床に落とした。
南城が呆気に取られている内に尋之は常に携帯している潤滑剤の力を借りて南城を犯していた。
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