エアコンもない部屋でイチャイチャしたら暑くて倒れるのではないだろうか?
「ひゃっ…あぁ…んっ…」
ぴちゃ…
甘美な声に紛れて聞こえるのは水音。
「真人」
「あ…和隆…さん」
ぴちゃん
二人が交わるのはほぼ風呂場。ここならシーツを汚す心配もない。
「んんっ」
南中道はしかし、声を押し殺す。
「あっあっあっ…」
南城の方は尋胤が夏休みの間中、片時も離れずに身体を繋ぐか食欲を満たすかのどちらかだ。
シーツは何枚有っても足りない。しわくちゃでべとべとだ。
「もっと脚、開いて」
「もう…ムリ…」
「ダメだ」
艶っぽい喘ぎ声が断続的に響く。
室内は程良くエアコンが効いていて快適だ。
「やめっ…ろよっ」
机の上に腰掛けた姿勢で東埜の胸を左足で必死に押す。
「愛してるよ」
「嘘、言うなよ」
東埜がため息をつく。
「尋之はそうやってずっと人を疑って生きていくのか?南中道を疑い、和隆を疑った。」
「違…う」
「じゃあ俺を信じろ。愛してる。」
尋之はゆっくり、羞恥しながら脚を開いた。
信じているから、ここまで来た。信じているから、全てを委ねた。
三組三様の夏休み。
…っていうか、二人ほど失業中ですから、夏休み、関係ないんですけどね。 |