第十七話  見守る会、解散  
「好きだ!航なんかよりずっと前から遥が好きだ!」
 そのまま目を閉じ、遥の唇に強引に唇を重ねた。
 遥は両腕を突っ張って響を押し退けた。
「何すんだ!バカヤロー!」
「なんでだよ!」
「だーかーらー!前から言ってるだろーが!響のことは大嫌いだって!」
 響、大ショックです。打ちひしがれ床に突っ伏してしまいました。
「ずっと…ずっと…」
 流石に湊は響が不憫に思い、「俺が言う分にはいいだろうけど遥が言ったらダメだろー?」
 すると遥は湊に鋭い視線を送ったのです。
「兄ちゃん!オレは航と付き合うから。兄ちゃんは兄ちゃんなんだからな?これからは変なこと、しないからな。」
「変なことはしないよ。」
 湊がそんなことで引き下がる性格ではないことくらい、遥が一番知っているくせに…。
「湊、遥を見守る会は解散だな。航は実力行使、湊はなんだかイヤらしいことしていたらしいし…僕は嫌われているなら好きになってもらう努力をしなきゃならない。協定なんて守っていられない。」
 湊、不敵に笑う。
「そうだな。響だけマイナスのスタートラインだな。」
 そのセリフに遥が素早く反応した。
「兄ちゃん、兄ちゃんも同じだから。これ以上オレをイジメるなら嫌いになる」
 このセリフには湊も凍り付いてしまった。
「もう一度言うからな。オレは航の恋人になったんだから、今後一切、好きだって言ったり、エッチなことさせたりとかは禁止だからな。」
「遥」
 湊が物凄く低い、唸るような声で言った。
「航より、響の方が遥を好きかもしれないじゃないか、オレの方がテクニックはあるかもしれないじゃないか。」
 遥にはその意味がイマイチ、掴みきれていなかった。