第二十七話  まだまだ  
「そいつに相応しい人間になりたい。だから言わない」
 遥は胸を張って答えた。
「航は知ってるのに?」
「教えてないよ」
「ずるいなー」


 そして、半年後。
「わた…やっ…ん」
 ん?
「あっ…んんっ」
 おや?
「はる…かっ」
 何を?
「イクっぅ」
 こらこら!
 遥は努力宣言したものの、一度覚えた快楽天国を一人で処理できず、それを見抜いた航と密会をしていた。
「早く告白してあいつにしてもらえばいいのに」
 航は文句を言うものの、拒絶はしない。
「だって…好きじゃないよ、俺のこと」
「いや…まあ、な」
 航は言いよどんだ。
「遥にセックスの味を教えたのは僕だしな…僕も他に相手はいないし。」
「航って俺が初めてなの?」
「当たり前だろ?ずっと好きだったんだから。」
「そうか…潤は好きな人の話しないよな?」
「そうだな。誰だろ?」
「航にもわからないか」
「わかるか!…遥以外のことはな」
「ふーん」

 まだまだ、遥は大人になれません。