「と言うわけで、遥はただ自覚しただけでまだ告白はしていない。つまりだ、付け入る隙はありまくりだ。」
変な日本語で演説しているのは湊だ。
「そーかなー?」
仲間と思っていた航は敵だった。しかしこの際仲間に引き入れない手はない。
「航…お前知ってるんだろう?潤から聞いたぞ」
慌てて航は俯いた。
「別に遥から聞いたわけじゃないよ、たまたま気付いただけだし、確認したわけでもないから確信はない」
航は内心、たまに遥と二人きりで会って何をしているのか問い詰められるのが怖かった。
「何でもいいから情報提供しろ!」
「湊さん、遥の決意は堅いから無理だよ。それより遥の恋が成就するよう見守ってやったほうがいいんじゃないかな」
何とか詮索の手から逃れようと必死だ。
「航は遥と寝たんだろ?あいつのあんな可愛い顔、もう二度と見られなくてもいいのか?」
…週2のペースで見てるけど…確かにこれから先見られないのは切ないかな…と自問自答していたが、
「遥が本当に幸せになれるなら努力するよ」
と、心とは反対のことを口にした。
「遥の好きな奴って潤じゃないのか?」
いままで黙っていた響が初めて口を開いた。
「潤?」
湊の目が輝いた。
「なあ、遥の好きな奴って女?男?」
「二人の会話からだと男だと思うんだけどな〜」
湊は潤の家庭教師の日に、計画を実行した。潤の気も知らずに…。
「潤は、遥のこと好きなのか?」
「まさか!僕は友人としか見ていないし、それに…好きな人なんていらない…受験の邪魔だよ…大学は頑張らないと出世街道に乗れないし…」
「成績の上がる方法、教えてやるよ」
湊の計画はいつも同じ…
「あっ…んんっ…やあっ…みなと…さんっ…好き」
「へ?」
最中、湊の耳に届いた言葉は、湊にとって意外な言葉だった。
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