第四十四話  夜の海岸
 ざー
 ざー
 波の音が繰り返す。
 遠くに去り、近くに寄り…。
 身体を生温かいものが這う。ぬめぬめと執拗に。
「う…ん…」
 不意に、口の中に何かを押し込まれた。
 口腔内を優しくいたわるように這う。
「んっ」
 それでも遥は目覚めない。
「素っ裸にしちゃう?」
「誰も来ないよな?」
「遥の我が儘に振り回されているんだから、少しくらいいいよな?」
 言い訳をしながら遥を裸に剥いていく、上はTシャツ…すでにない…と、下は短パンとパンツだけだ。
つるん
「相変わらず可愛いよな」
 響は上半身、航は下半身をそれぞれいたずらしている。
「はぅっ…んんっ…やぁ…だ…」
 身体をビクンと震わせ、遥が目覚めた。
「やだ…何してんの?やめてよ…やだ…んっ」
 遥の着ていたTシャツを口の中に突っ込まれた。
「今ね、遥の嫌いな午前二時だよ」
「んーっ」
 遥はお化けが嫌いだ。だから丑三つ時は必ず寝ている。
「みんなで気持ち良くなろうよ、夏の思い出が欲しいんだ」
「んんっ」
 航の指が遥の尻穴をかき回す。
「ほら、遥。何回も僕とセックスしたから身体が忘れてないんだね」
「んっ…んー」
 抵抗しているのか、喘いでいるのか分からなかった。
「もう少しだけ、広げてみようか」
 航が指を増やして徐々に広げていく。
「んっ、んっ」
「気持ちいい?」
フルフル
 遥は首を左右に振った。
「響、前をいじってあげてよ」
「んん…んーっ」
 遥のアナルが収縮した。
「気持ちいいみたいだよ」
 航の指は穴を出たり入ったりしていた。
「んっんっ」
「遥、まだイかないで。」
 二人はやりたい放題、遥の身体をいじり回した。