| 「ねぇ遥、こんな思い出じゃなくてさ、本当の思い出が欲しくない?」 航が下半身を集中的にいたずらしているのに対して、響はどうやらそんなに性行為に執着していないようだ。
 「民宿の手伝いも楽しいけどさ、ごく普通の思い出が欲しいんだよ。」
 遥にも響の言いたいことは伝わっている、伝わっているが航の攻撃が執拗すぎるので返答が出来ないのだ。
 「やっ、航っ、ま…って…はぁっ、響、あと、で…」
 「響、ヤんないの?僕我慢できないよ」
 言うが早いか、航は遥の身体を持ち上げると膝の上に乗せ、身体を繋いだ。
 「やだっ、挿れないでっ、したくない、お願いっ」
 遥が泣いて頼んでも、航は離さない。上下に揺すぶって抽挿を繰り返す。
 「やあ…んんっ…感じたくないのに…なんでぇ…」
 最後には航の首にしがみついてぜーぜーと喘いでいた。
 
 
 「いたずらしようとは言ったけど、遥が禁欲するって言い出したんだから最後までつきあってやるつもりだった。せいぜい夜中の浜辺に裸で放置して泣かせるくらいだと思ったんだ…」
 「響だって遥をいじり回していたじゃないか…って放置の方が酷くないか?」
 響は俯きながら、
 「でもすぐに助けてやればいいじゃないか」
 と、慌ててフォローする。
 「堅いなー響は。遥は性欲が強いんだ、たまに処理してやらないと変になるんだよ。」
 「そんな風には見えないけどな。」
 布団の中で、今は眠っている遥の顔をじっと見つめた。
 「お前だって遥のことメチャクチャに抱いたじゃないか。」
 「そうだけど何度も激しくしたら壊れちゃうだろ?」
 「遥がそんな柔な作りかよ」
 身体じゃなく心が…言い掛けて止めた。
 「そろそろ結論、欲しいよな」
 航が遥を見つめて呟いた。
 
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