| 申し込み順に席が埋まるタイプの予備校なので成績は関係ない。 だから遥たちの高校でも、響の高校でも通える。
 二週間のスケジュールである。
 「へー、潤は決まってるんだ、学部」
 「うん。文学部政経学科。サラリーマンになるからさ。」
 「サラリーマンになるのには政経か?ふーん。航は?」
 「不本意なんだけど響と一緒。」
 「薬学部?すげー」
 「遥は?」
 「まだなんだよー。兄ちゃんは専門学校行けって言うんだよなー」
 「なんで?」
 「テレビの制作サイドに行きたい!プロデューサーって奴?」
 「反対!遥は普通のサラリーマンになって定時に家に帰って僕の帰りを待っててくれるといいな。」
 遥はドキッとした。
 先日、響にも同じ様なことを言われたからだ。
 「そっかー。僕の希望としてはそんな不規則な仕事は遥には不向きだと思う。定時にピッと終われるサラリーマンだな。遥お化け嫌いだから夜中の仕事とか無理だし。スーパーとかデパートとか向いてるんじゃないかな。」
 と、笑いながら言った。
 「みんな来るの早いな」
 響のことを考えていたら本人が現れ再び動揺した。
 それを航は見逃さなかった。
 
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