第六十一話  修学旅行
『京都?珍しいな』
 響に言われてそうなのかと思う。
 最近の高校は海外に行くこともざらではないようだ。
 しかし不景気も手伝い、学生の本分である学問に縁のある、京都にしようと学年総会とPTA役員会、職員会議で決まった。
 新幹線で行く。
 遥は潤の隣。
 向かいにはクラスメートの男子。
「今夜さ、女子のグループに予め予約を入れてあるんだ。一緒に行かね?」
「いーねー」
 遥は基本、女好きだ。なぜ男に振り回されているのか遥自身、よく分かってない。
「どこなら出来そう?」
 あからさまな質問。
「布団部屋と深夜の共同便所」
 ふむふむと唸りながら遥は楽しそうに話していた。
 それを、航は潤から聞いた。


 消灯後。
「行くぞ」
 こそこそと部屋を抜け出す男子生徒数名。次々と女子の部屋に散っていく。
 部屋を出たときは確かに遙はいた。
 しかし、女子の部屋にはどこにもいなかった…。


「やだっ、止めてっ!」
 後ろから羽交い締めにされ、遥はいとも簡単に布団部屋に押し込まれた。
 そのまま背後からのし掛かられ、下着ごとジャージを下ろされた。
「航っ、止めて」
 大声を出さないように静かに抵抗する。
「…響にさ、遥は淫乱だから下半身を牛耳れば簡単に落ちるって教えてやったんだ…失敗した…響にそんなこと、出来ないと思っていた。」
 囁くように遥に伝える。その間も手は休めない。
「分かったから、航とセックスするから、今はヤだ。」
「女とヤるなら僕でも良いじゃないか」
「女子となんかしない。ノリに決まってんだろ?響はこんなこと言わない、ちゃんと理解してくれる」
「響と、比べんなよな…」
「ひっ」
 潤滑剤でぬらぬらと光る航のたかぶりが、慣らしていない遥の窄まりにずぶりと突き刺さった。
「痛いっ、止めろよっ」
 背後から貫かれたので抵抗できない。必死で前に這って進むが、航は追いかけてきて壁際に追い込まれる。
「はっ、あっ…」
 痛みが快感に変わる。
「気持ち、良いんだよな?イヤじゃないよな?…好きなんだ…遥」
 深く、突き入れられ、ギリギリまで抜かれる。
「う…あぁっ…」
 遥が喘ぐ。
「響を選ばないで」
「ごめん…」
 航の下に組み敷かれても、遥の意志は変わらなかった。