| 「航を、振ることが出来なかったオレが全部悪いんだ、ごめん」 遥の中で急速に力を失くした航の肉塊は、するりと抜けてしまった。
 遥は身体の熱を自分で処理せず、時間に任せた。
 二人で廊下に座り込んで黙って床のシミを見つめていた。
 「お前ら、何してんだ?」
 遥の担任に見つかり、眠れないから眠くなる方法を試していたと言い訳した。
 「先生、知ってる?かきっこすると疲れて眠くなるんだってさ。これからやろうと思うんだけど、先生もする?」
 「あほっ!そんなのあるわけないだろ!布団に入ってたら眠くなる!」
 「自分ですんの?つまんなくない?」
 「いい加減にしろっ!」
 担任は呆れて行ってしまった。
 「遥…そんなとこも好きだな…嫌いなとこが見つからないんだ…分かってた、初めから。だから言っただろう?遥は響が好きだって。」
 航が膝の間に顔を埋めて小さく呟く。
 「遥と響、お似合いだからさ…仕方ないか…」
 「航…」
 
 
 「ごめん!」
 響は仏頂面で
 「…仕方ないじゃないか」
 と口にした。
 「で?その後は?」
 「え?」
 
 
 翌晩。
 「やっ…航っ…あっ…」
 前日は旅館だったが、今夜はホテル。しかも二人一部屋。
 当然、遥の同部屋は潤。
 なのに、航は潤の寝ている横で、遥を抱いた。
 「ダメ…」
 潤を起こさないように、声を出さないでいるから遥が妙に艶っぽく映り航は更に嗜虐された。
 当たり前に遥と潤の部屋を訪れた航は、潤と予め予定をしていた。
 ある程度話をしたら潤は寝る。
 航は遥を口説く。
 …口説くというより犯しているが…
 「やっぱ無理!遥、好きだっ」
 夕べの憂さを晴らすように、積極的に航は動く。
 「ヤだっ」
 
 
 「三日間とも?」
 遥は黙って頷いた。
 「遥は…本当にセックスが好きなんだ」
 響がため息と共に呟いた。
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