| 『そりゃあ、拗ねるよ』 響からも潤と同じ回答だ。
 「でも、」
 『僕だって一度は振られたからさ、分かる。遥が離れるんじゃないかと不安なんだ…僕は不安だから抱けない。航は逆なんだ、きっと。…抱かれてやれとは言いたくないけど、完全に否定するのは可哀想だよ』
 遥は内心でため息をついた。
 こんなはずじゃなかったのに…と。
 
 
 遥へ
 今はメールしか出来ない、ごめん
 遥が好きなんだ
 響と比べられるのは仕方ない
 だけどどうやって遥が好きだって表現したらいいのかわからないんだ
 響みたいに一緒に勉強するとか?
 休みの日に遊園地に行くとか?
 考えたけど違う気がする
 教えて欲しいんだ
 そうしたらいくらでも両親に遥が好きだと言ってやる
 今は自信がない
 
 
 航へ
 ただ、一緒に居てくれればそれだけでいいのに
 そりゃあ、セックスもしたいけど、普段は普通に、友達の延長じゃ、ダメ?
 響と比べてなんかいないよ
 
 
 遥へ
 僕に同情してくれてありがとう
 
 
 「なんだよ!同情って。もう知らないからな!」
 遥は携帯電話をベッドの上に放り投げた。
 それでも三分もしたら気になって再び携帯電話を手にする。
 
 
 航へ
 あのさ、なんでわざわざオレが面倒くさいことしてると思ってんの?響に言われたからじゃないからな。
 航も響も今のオレに必要だから一緒にいたいんだ。
 
 
 遥へ
 今だけ?
 未来は?
 
 
 航へ
 努力次第
 だと、思わないか?
 
 
 遥へ
 ごめん
 
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