第七十三話  除夜の鐘
「無理無理ムリー!」


「あっ…んっ…」
 やっぱりウイークリーマンションで三人は年越しエッチの最中。
 今夜は108回、なんだそう…。なにがかは、響と航の口から遥に告げられた。
「除夜の鐘は煩悩の数だけ叩く。煩悩は108なんだ。だから108回イったら暫くしなくても我慢出来るんだ、きっと。」
 すでに遥は30回近くイった。
 出したのは5回だが。
「はぁっ…ん…」
 中がぎゅっと収縮する。
「ヤらしい遥なら108回位簡単じゃないか?」
 航はわざと煽る。
「無理…だから…」
 もう身体に力が入らない。
「尻の穴、感覚がない…」
と言いつつも、前立腺を突かれると立ち上がる。
「あ…んっ…」
「出す?」
 響が手を伸ばす。
「休みたい…」
 涙を浮かべながら首を左右に振る仕草がたまらなく愛しい。
 しかし航の性欲には底がない。
「航、これじゃあ、拷問じゃないか?」
「そうだよ。遥が、外ではしたくなくなるように、僕らとの性交じゃなきゃ感じなくなるように調教しているんだから。」
「そこまでしなくても…」
「湊さん。不気味じゃないか?」
「そうかな?」
 航は遥の身体から離れ、響に代わるよう促す。
 少し躊躇ったが欲望には勝てず、完全に脱力している身体にのし掛かった。
「はあんっ」
 中が擦られただけで感じてしまう。
「最後には湊さんが笑っていそうで怖いんだ」
 航は遥の立ち上がったベニスの先端を指の腹でそっと撫でた。
「やっ、ダメぇっ、出ちゃうぅっ」
 それは「外」ではないんじゃないかと、響はふと思った。