| 「は?」 遥は素っ頓狂な声を上げた。
 「だから、響と付き合いたいんだ」
 遥と響の部屋に航がなだれこんできた。
 「本気?響は?」
 当然、無言である。渋面付き。
 「気付いたんだ、自分は遥が好きなんじゃなくて響が好きなんだ」
 響が大きくため息を一つ、ついた。
 「違うよ、航は気持ちいいことが好きなんだよ。昔、遥が誰とも付き合わないって宣言したとき、一番最初に遥を襲ったのは航だ。航は気持ちいいことをさせてくれたり、してくれる人間が好きなんだ。」
 航はふるふると首を振る。
 「本当なんだ。響、信じて欲しい。寝ても覚めても響が頭から離れない。」
 「それは…寝たからだろ?何とも思っていなかった相手から突然キスされたら凄く気になるのと一緒だよ…って普通はそんな経験しないか…。じゃあ、あれだ、学校で教科書を忘れたら、隣の席の子が何も言わずに見せてくれたときに感じるキュンとした感情だな、うん。」
 響が必死で抵抗している。
 「…俺たちさ、やっぱり三人じゃなきゃ、だめなのかも。」
 ぽつり、遥がいう。
 「今度は響の取り合いだ。」
 「そうかもしれない。遥も本音を言えば航を忘れられないんだろ?」
 「うん。航、とりあえず越してきたら?…って僕がいるときに二人でセックスするのは禁止だよ?」
 遥が微笑む。
 航の良心が痛んだ…。
 
 
 こうして、高校時代のメンバーが再びひとつ屋根の下に集まった。
 
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