第九十六話  居候
「ひ…びき…」
 遥は響の下に敷かれたまま、その身体に四肢を絡みつかせて喘いでいた。
「昼間っから盛ってるのかよ…」
 二人の寝室に、当然のような顔で入ってきたのは航だ。
「遥、悪いけど急患なんだ。」
「えー…あんっ」
 響は鋭く遥を突き上げた。


 今、航は個人医院を開いている。
 結婚はしたがわずか一年で別居になってしまった。原因は航の寝言。
「遥、好きだ」
と、言ってしまった、らしい。
「彼女は薄々感づいていたらしいよ」
 笑いながら言う航はなんだか清々しかった。
 二人の間に生まれたのは男の子で、航の家にいるが、育てているのは妻だ。
 つまり…。
「居候、勝手に入るなって言っただろう」
と、言うこと。医院兼自宅で昼間は病院にいるが夜は二人の家にいるのだ。
「急患はお前だろ?」
「ばれたか」
 日曜の昼下がり。
 何だかんだと再び元の鞘。
「だってさ、外は雨が降ってるんだ。何にもする事がないんだよ。」
「湊と潤の仲を裂きにでも行けばいいだろう?」
「いいのか?あの二人を別れさせたらここに湊さんが増えるんだぜ。」
 響が少し、考えて答えた。
「仕方ない」


「って言われた」
 潤は笑いながら聞いていた。
「そういえば湊さんは?」
「実家で子作り中」
「へー…ってなんだ?それ。」
「航と同じ。跡取りを作れってさ。」
 以前、この二人は同じような内容で一度危機を迎えた。
「義父と義母はどうしても孫が欲しいらしいんだ。だから籍を入れて週に何回か子作りに実家へ行くんだ。」
「いいのか?」
「仕方ないもん」
 DNAを残すのは大変だ。


「あぁっ…んふっ…んっ」
 遥は相変わらず響に大きく脚を開かされ、響の膝の上に座らされ、背後から貫かれて上下に大きく揺さぶられていた。下半身は何も着けていないが、上半身
はきっちりシャツを着ていた。
「響、お前は予知能力があるのか?いつも僕が帰る時間に遥の痴態を披露してくれる。」
 響は所構わず欲情する。
「羨ましいか」
 余裕の笑みで挑発する。
「遥は、」
 真正面から二人を見据える。
「いくつになってもそそるな」
 遥の顎を捉えると上を向かせて唇を吸った。
「ふっ…んんっ」
 航は力を入れてシャツの前を開いた。ボタンが弾け飛んだ。
「んんーっ」
 唇を合わせたまま、乳首を爪で摘まれた。
 遥の目から涙がこぼれる。
「んんーっ、んっ、んっ、んん…」
 遥は身体中が性感帯になったかのように感じまくって悶えた。
 響も航も、遥のペニスには指一本触れずに遥は何度も何度も達した。