そして僕は腕の中

「『見ました〜陸、すっごいかっこいいです』『やっぱり私の陸っ、もうどうにでもしてって感じ?』『超モエ〜、陸にだったら全部あげちゃう』…なんかみんな過激な内容だな。」
 半ば呆れた様に零が声に出す。
「そんなこと言ってまたまた〜。嫉妬丸出しでステージに立つなよ。」
 なんとも危険な台詞を隆弘くんが吐く。
「そうだよな、陸に声援が飛ぶと零の表情が一変するからな。」
 初ちゃんまでそんなこと言う?
 今、僕達は事務所に届いたファンのみんなのメッセージメールをプリントアウトしてもらっている所だ。
 これにコメントを付けて明日中に戻す。
「僕のはメールに転送しておいてもらうと楽なんだけどな。食後にサクサクとやってしまうのに。」
 どうも紙とペンを渡されるとドキドキしてしまう、字を書くのが苦手だ。
「そんなこと言って、陸さんは台詞も覚えなくちゃいけないんじゃないですか?」
「あっ…」
 そうなんだ。
 もうすぐドラマの撮影が始まる。
「だからって斉木くん…意地悪。」
 ちょっと膨れっ面を作ってみた。
「あ、べ・別に信じていないわけではないです、陸さんなら絶対に良いものを作ってくれるって信じています。だけど今迄と勝手が違うから大変なんではないかと…。」
 確かに…僕は大きく溜息をつく。
「台本は見慣れているけど、自分の物だって自覚がない…。」
 子供の頃から家のリビングに放り出されていた台本は、日常風景の1つだった。
 だったけど・・・開いたことないよー。
「大丈夫だよ、ちゃんと覚えておくからさ。」
 俯いて答えた。
 それでも斉木くんは笑顔で「はい」と答えてくれた。


「僕宛のメール、多いね、本当に。」
帰りの車の中で預かった束を1枚づつめくりながら呟く。
「CMの陸、可愛いもんな…全部返事書けないよな。」
「うーん…でも書かなくっちゃ。」
「陸は優しいから。」
「そんなことない。」
 僕は優しくなんかない、出来ればこんなことしたくない。
 だけど今しか出来ないこと、今やらなければいけないことってあるだろう?
 それをやっているだけなんだよね。
 僕が望むことはただ1つ。
 いつも零と一緒にいられること。
 そのために必要なことなら頑張れる。
「ねぇ、これってサイトにアップするんだよね。全部だとサーバーがパンクしそうだね。」
 僕は零宛に届いているメールをプリントアウトした束を手に取り、一通に目を通した。
「『零君に質問でーす。どんなタイプの女の子が好きですか?』だって。」
 …それは僕も気になる。
「そんなの決まっている、いつも同じ答え。『美人で料理の上手な髪の長い女の子』そういう陸は何て答えるんだ?さっきちらっと見たけど同じような質問があったぞ。」
 僕は慌てて自分の束をめくり始める。
「やだっ、本当だ、えーっ、何て答えようかな…。今までこんなこと聞かれたことなかったのに…うーん…よし、僕は『頭の良い可愛い子』にしよう。」
 車は赤信号で停まっている。
「陸は女の子に興味ないんだな、本当に。陸のファンの子って可愛い子多いよ。この間のなんだったっけ?ほら、駐車場で捕まえた子、あの子もすっごい可愛かったぞ。」
 零の腕が僕の腰を抱きに来る。
「前見て運転してよね。」

「まだ赤信号だよ。」
 うえーん、最近の零は年中発情期だよ…。
「…どこ触ってんだよ〜」
「陸が恥ずかしがるとこ。」
 うー…、暫く動けないよ。
「おっと、タイムアウト、続きは家に帰ってからかな?」
 えっ!このまま放置されるの?
「自分でしてもいいよ。」
「バカ」
 僕はただ黙って俯くしか出来なかった…僕も年中発情期かも。


「うん…あぁ…」
 深夜のバスルーム。
 二人ともメールの返事を書き終えてヘトヘトになりながらバスルームに辿り付いたのに、湯船に入ったら零の手が元気に僕を探しに来た。
「あん…あん…」
 やだ…僕ったらすごく浅ましく喘いでいる。
 声が響いて…でも止まらない。
「あっあっあっ…」
 そんなに擦られたら、イッちゃう…。
「ヤダ…ああんっ」
 喘ぐ僕の唇を唇で塞ぐ。
 空いた手で受け入れ態勢を整えさせている。
「あぁ…んっ」
 僕は呆気なく果てていた。
 僕が吐き出したそれを素早く塗り込め、身体を軽々と持ち上げられると零は僕の中に固くなった分身を埋め込む。
「はぁん…」
「陸、色っぽいな。」
 再び零の唇に塞がれる。
「んっんっ…」
 深く口付けながら抽出を繰り返す。
 身体をゆさゆさと揺すぶられる。
 僕は快感を求めて腰を振る。
「あぁ、イイ…イイよぉ…中、気持ちイイ…零のが気持ちイイっ」
 こんな台詞、僕は恥ずかしくって嫌なんだけど、零が喜ぶんだ。
 大きくなっているのに、更に大きくなる、僕の中ははちきれそうになる。
 バスルームには僕の喘ぎ声と下半身から漏れる淫らに響く音。
「あん、あん、あん…」
「僕も、イイ…イク、イクよ…」
「あっあっあっ…」
 ドクンッ
 僕の中で零が弾ける。
 僕もそれを感じて果てたのだった。


 ちなみにこの後、更にベッドで愛し合ったのは…言うまでもない。


「『でもそれは父さんの意見だろ?僕には関係ない』」
「ぶっぶー、はずれ〜正解は『僕には解らない』でした〜」
 うーっ、悔しい。どうして僕が主演なんだよ、素人なのに…。
「陸ぅ、あと1、2、3…5ページだよ、頑張れ。」
 聖も頑張って付き合ってくれている。
 しかし納得いかないのは、聖は全部覚えてしまったってこと。
 台本を握り締めているのは僕で聖はゲームをしながら聞いているだけなのに…。
 聖は僕がずっとぶつぶつと暗唱していたのを覚えてしまったのだ。
 もしかしたら聖は俳優に向いているのかな?
 なんてまたまた零に言ったら馬鹿にされそうなことを思っていた。
「でもヘンなのぉ。陸は『父さん』なんて言わないもんね。零くんだって呼ばないもん。」
 …確かにそうだ。
 零は『涼ちゃん』だし、聖は涼さんのことは『パパ』で零のことは『零くん』。僕だって『パパ』だし…。

 そうだ!
「ねぇ聖、いいこと思いついたんだけどさ…」
と、僕はなんとも単純な悪戯を聖に耳打ちした。
 そんな楽しみに胸をワクワクさせながら台詞を覚えたら物凄く簡単に覚えてしまったのだった。


 撮影初日、スタジオのセットからかなり離れた場所に怪しい身なりの男がいた。
 深く帽子を被り地味にしたつもりの服は、シルクのシャツに黒の革パンツ。
 僕は背後から近付き声を掛けた。
「裏番組の主役がウロウロしている場所じゃないよ。」
「何だ、気付いていたのか。どうだ?調子は?」
「最悪」
「その割には張り切っているじゃないか。」
「話を聞いたときはまさか主役だなんて思わなかったんだ。でも台本(ホン)を貰ったら本当に主役なんだもん、頑張らなきゃ駄目だろ?」
「駄目じゃないけど、陸が嫌なんだろう?」
 パパは僕の肩をポンと叩く。
「君達の面倒を見ているんだ、少しは見返りを期待してもいいだろう?」
 うーんと、考える振りをした。
 その時監督に呼ばれたのでその場を離れた。
 結局パパはこそこそと最期まで見学していったのだった。



「まだいたの?」
 ムッとした顏を作ってしまったと思う。
「思ったより良い芝居していた」
 僕の悪態にめげずに話かけてきた。
「何企んでる?」
「アイドルの坂間あずみって知ってるか?あそこの社長がぜひ一緒にやらせてくれって」
「やだ」
「零くんだよ。」
 パパは不敵に笑った、僕は反論に詰まっていた。
「陸ならいいって返事をしようかと麻祇と話していた、どう思う?」
 全く呆れて物も言えないとはこんな状況だろう。
「勝手にすれば。いつもそうやって僕を縛りつけようとするんだから。」
 家を出る前は毎日の様に条件提示をして僕の自由を奪ってきたパパ。お蔭で僕には友達らしい友達がいない。
 零が僕をバンドに誘ってくれた時だって門限を条件にしたんだ、自分が子供のときは散々朝帰りしたってばあちゃんが笑って言っていた。
『裕二は誰に似たんだろう、私もお父さんも放任主義なのにもの凄く過保護だよね。』
 冗談じゃないよ、家を出たんだ、そろそろ自由にしてくれ。
「拓を構っていたらどう?僕はパパの相手ばかりしていられないよ。」
「…拓は、いいんだ。あの子は実紅の子だからさ、俺が触れると嫌がるんだ。」
 なんだ、そんなことか。
「実紅ちゃんは今妊娠しているからピリピリしているんだよ。きっと今度は女の子だね。」
 パパのDNAを 受け継いだ女の子だったら絶対美人に決まってる、楽しみだな。
「…陸なら抱かれるんだろうな。」
 何?なんのこと?
「陸、女の嫉妬は恐ろしいぞ。男の嫉妬は…醜いし、馬鹿だ。」
 馬鹿?意味わかんない?
「なんで馬鹿?」
 その質問に対する答えはパパの苦笑だけだった。


「もう任せてよ、ばっちりOKだからさ。何時でも次のドラマ入れちゃってて感じ?」
 翌日、メンバー全員の前で大見栄を切った僕に
「嘘つけ」
と、声を揃えて言われて動揺した。
「陸が嘘を言うときの癖は皆わかってるんだよ。」
 チューニングする手を止めもせず初ちゃんが答えた。
「嘘!どうして?どんなことしてるの?眉毛がピクビクするとか?鼻がふくらんだり?目、つぶるとか?」
 それを受けて「そんなん、教えたらつまんないじゃん。」と、隆弘くん。
「癖もそうだけど、そんなに慌てること事態、嘘だってことだろ?」
 剛志くんも譜面を捲りながらこちらを見ることもせず、言う。
 ちらと、零の方を見たら加湿器の前で発声練習の準備をしていて僕のことなんて眼中になかった。
「上手くいくといいな、今度の仕事。そろそろ大きなヒットを取らないと、俺等の存在価値を問われちまう。」
 そうなんだよね、確かにもう少し頑張らないといけないのは分かっている、これはビジネスなんだから。
「陸に内職させて、申し訳ないと思ってるんだぜ。」
 隆弘くんが僕にウインクした。
「そういうこと。だから次は本業で行こう。」
 初ちゃんがやっと笑ってくれた。
「陸が苦労して台詞覚えている姿はもう見たくない。」
 部屋の隅でぽつりと吐き出された言葉に皆が頷いた。
「苦労は出産だけでいいよ。」
 僕等は曲作りを出産と言う。
 産みの苦しみだからそうだ、剛志くんが言い出した。
「じゃ、そういうことだから、練習始めようか。」
 僕は幸せだなって思う。
 こんな風に仲間に愛されて、親に愛されて、恋人に愛されて。
 だから精一杯努力しなくちゃいけないんだ、絶対に。


「陸」
 ベッドに腰掛け僕を見て零が頬を染める。
 これは『抱いて』って言う時の仕草、零は気付いていない…と、思う。
「その、今夜は…さ、して、欲しい。」
「して、って?」
 ワザと知らない振りを装う。
「抱いて」
 あれ、今日はいつも程照れまくれなかったな。
「どうしたの?」
 そっと身体を抱き締め、耳元へ囁く。
「陸を、感じたいんだ。確かな実態として、感じたい。」
 思わず僕は笑ってしまったけど、零は真剣な表情のままだった。
「時々、不安になるんだ。陸がここからいなくなってしまうんじゃないかって。僕を…聖を置いて消えてしまいそうなきがして、不安なんだ。」
 零…零もそんな風に不安になるんだね、僕だけじゃないんだね。
 そっと、その柔らかくてでも弾力のある唇に口づけて、僕たちは抱き合ったんだった。


「あ…」
 朝、ダイニングテーブルに着いて食事をしていた聖が、零が起きてきた途端、顔を赤らめ、俯いてしまった。
「零…くん、おはよう。」
「どうした?」
 不思議そうに聖の顔を見て、額に自分の額をあてがう。
「風邪じゃ、ないな。だと…言うことを聞かなかったわけだ、聖は。」
 ビクリ、肩を揺らして震える。
「聖、遅刻しちゃうよ?」
 こくり、首を縦に振り、席を立つ。
「ごめんなさい。」
 そう言って玄関へ逃げるように出て行った。
「夕べの、見てたってこと?」
 ふいっと、横を向いて答えない、それが肯定ということだね?
「部屋に…鍵を付けようかと思うんだけど、駄目かな。」
「あの…こんなこと言ったらヘンかもしれないけど…僕は聖に任せたいんだ。やってはいけないと言われた事は、自分の意志で止めて欲しいんだ。だから出来れば鍵は掛けたくない。」
 零はしばらくじっとして動かなかったが、やがて大きく溜息を1つついて、「仕方ないな」と呟いた。
「僕には父親の威厳が無いしな…」
と、自嘲気味に言われたときに、初めて夕べ僕に抱かれていた所を見られたのが恥ずかしかったのだと気付いた。僕は鈍すぎ?
 そっと背後から抱きしめて「大丈夫、零はかっこいいもん」と心の中で呟いた。
 声にすると図に乗るからね。


 一日空いてドラマの撮影再開。
 今日は…何か様子がヘンだ。
「斉木くーん。」
 僕は今日だけ着いてきてくれたマネージャーを呼んだ。
「これ、今朝渡されたんだけど場面が増えているんだよね。台詞入らないよ。」
 ぶつぶつ言いながらページを捲る、増えた台詞を覚えるためだ。
「大丈夫です、台詞は一言ですから。」
 そういうわりには、俯いている。
 目的のページに辿り着き、……固まった。
「裕二さんからの伝言です、『俺は諦めてない、陸はいつか取り返す。』って、何ですか?」
 パパ、パパと僕の関係は公にはしていないのに、どうして?
「あ、お兄ちゃん…だから」
「20歳も年の差があるんですか?すごいですね、羨ましいです。俺もかっこいい兄貴が欲しかったなぁ」
「それはいいけどこのシーン、何?」
 いきなり、キス?
 女の子と?
 冗談、僕触るのが精一杯なのに。
 知らない人は特に駄目、大丈夫なのはママと実紅ちゃんくらいだよー。
「相手、男です。」
 何?
「出来ない、例え仕事でも、無理だ」
 話の流れからして主人公が反抗するなら効果的だろう、でも零以外は嫌だ。
「陸さんは、女嫌いじゃなくて零さんだけ…なんじゃないですか?視野、狭いっす。俺だっている、他にも陸さんに憧れている男、多いです。」
 男が憧れている?
 嫌だそんなの。
 怖い、また犯されるの?
 騙されて羽交い締めにされ、突っ込まれて、掻き回され挙げ句の果て僕はイッてしまったんだ。
 犯されたのに感じてしまったんだ。
 斉木君はこのことを知らない、言わないように言ってある。
 知っているのはごく一部の人だけなんだ。
 でも、怖い。
「陸さん?顔が真っ青です、大丈夫ですか?」
 身体の震えが止まらない。
「ごめん、トイレに行ってくる」
 こんな時に零の声が聞きたい、なんて思うのは甘えなのだ、わかっている。
 でもそうしないと先に進めない。
『ごめん、仕事中だ。』
 しかし零はあっさりと電話を切ってしまった。
 どうしよう、震えが止まらない。
 その時ふわり、大きな影が僕の身体を包み込んだ。
「おじちゃん…」
 麻祇さんはこの仕事の為にボディーガードとして来てくれている、僕を心配して来てくれた。そうだ、おじさんも知っていたんだった。
「大丈夫、何かあったら俺がいるだろ?」
 こくり、うなづいて胸に顔を埋めた。
 トクン、トクンと鳴る心臓の音を聞いて安心した。
 どうしたらこのトラウマ、克服出来るのだろう。
「おじちゃん、ありがとう」
「あのさ、陸ちゃんから見たら確かにおじちゃんだけど、まだ独身なんだよな。」
 僕は麻祇さんの顔を見上げた。
「うん、わかってて言ってる。」

「こいつ」
 こつん、大きな拳が優しく僕の頭を叩く。
 大丈夫、僕にはこんなに大事にしてくれる仲間がいる。
 慌てないで考えてみよう…。
「監督」
 僕は恐る恐る、声を掛けた。
「ここはキスするのヘンです。抱きしめられるだけの方がいいのではないでしょうか?」
 こうして僕は現場の空気に徐々に馴染んでいった。



「ごめんな、陸。昼間はマジで大事なインタビューの最中だったんだ。」
 家に着くなり、零が僕の傍に飛んできて、言い訳を始めた。
「可愛い女の子だったの?」
「ハリウッドスターだったんだよ。」
「え、零がインタビュアーだったの?」
 零は英語が堪能だ。
「いや、逆。何でだか知らないけど、インタビューされた。」
「すごいねー、ACTIVEもインターナショナル?」
 すると、ちょっと困ったような表情で
「いや、そういうことじゃないらしい。」
「ナンなの?」
 要約すると、ハリウッド映画に使える日本人俳優を探しているらしい。
「どっちにしたって凄いじゃないか、ハリウッドだよ。」
「ごめん…断っちゃった。陸の見ていたら絶対に無理だって思ったから…。僕は歌で生きていきたいんだ。」
 そうだね、僕もそう思う。
 歌の世界は厳しいけれどその分魅力が大きすぎて、抱えきれない。
「おとうちゃんっ」
 左斜め下から、声が聞こえた。
「おとうちゃん、ご飯の仕度が途中だよ。」
「聖、それいい加減止めてくれ。今朝からずっとこの調子なんだ。」
 ぷぷぷっ、そうだ、忘れていた。
「いいじゃない、おとうちゃんだもんね。」
 ぷーっと膨れっ面で
「せめてパパにしてっ。」
と、叫んだ。
「パパは涼ちゃんだから駄目なんだよ〜、おとうちゃんっ。」
 しばらく、聖が飽きるまで零はおとうちゃん地獄だね〜。
「ん〜おやじ?かなぁ?」
 僕が考え事をしている間に二人は何か別のターゲットを見付けたらしい。
「陸、陸はオヤジに決まったから。だって零くんのお嫁さんなんでしょ?だったら僕の親だから、オヤジ。おかあちゃんじゃないもんね〜」
 不敵に聖が笑った。
「ごめんなさい、もう悪戯しないから、今まで通りにして〜」





 ところで。
「陸の嘘をつくときの癖だけど、早口になるって、あいつ気付いてないんだよな。」
というのは陸には内緒。