オトコノコ×♂
 出会いは夏の暑い日だった。
 男は大手コンビニエンスストアの本部に勤めるサラリーマン。ごく普通の平凡な生活を送っている。
 ただし、あまりにも整った容姿にも関わらず、恋人がいないというか、女性とは関わり合いを避けているようだった。
 世の中はクールビズなどと言って軽装を奨励しているがそんな簡単に戦闘服は手放せなくて毎日汗だくになりながらもスーツを着ていた。
 その日は今年最初の真夏日。
 男はICカードを片手に都内を縦横無尽に走る鉄道を、どこへ行くというあてもなく彷徨っていた。
 営業に行く…と行って事務所を出たが、今時足を棒にして歩いている営業マンなんて見たことがないな…と、自虐的な気分に陥った。
 暑いな…と小さく呟くとそのまま駅のホームにあるベンチに座り込んだ。意識が遠のいた。


「!」
 喉を冷たい液体が通っていく。しかし自力で飲んだ記憶がない。
 重い瞼を開けると、知らない人が覆い被さって男の薄く開いた唇に液体を流し込んでいた。
「あ、気がつきましたね、良かった。多分熱中症でしょう、立てます?」
 なんの話だか見えていない。
「背負ってあげられたら良かったんですけど…」
 青年は確実に男より身長が低かった。力も弱そうだ。
「もしかして俺、病人?」
「多分…。ベンチで横になって寝ていました。体調悪くないですか?スゴく汗掻いてますよ?」
「そう言われると…気持ち悪っ」
 身体を動かした途端吐き気をもよおした。
「少しだけ我慢して下さい。」
 青年は肩を貸して男を駅のホームから連れ出した。
「あそこがうちですから。」
 ほんの一分ほどの場所にあったのは「咲島(さいとう)医院」と書かれた看板の着いた家だった。
「父の手が空いたらあがってきます。そうだ、さっき気を失っている間に勝手に携帯電話を借りました。会社に事情だけ説明して、今日はお休みにしてもらったのでこのまま寝ていて平気です。」
 青年は意外と行動派だ。
「それはありがたいけど休めない…」
 青年は心配そうに見つめている。
「出世が少し遅れてもいいじゃないですか。体が一番大事です。」
 にっこり微笑んだ。
「また学校サボったのか?」
 ドアを開けて入ってきたのは青年の父親だった。
「多分、熱中症だな。水分と塩分と睡眠をとれば大丈夫だ。客間に寝たらいい。」
「気にしないで、ここで寝ていていいです。」
 父親の言葉を遮るように、青年は畳みかけた。
 男は水分と塩分と食事をして睡眠をとった。
 その間青年はずっと男を見ていた。
 目覚めた時、青年はベッドの端に伏して眠っていた。時間を見ると深夜2時。男は躊躇いながらも青年を揺り起こした。
「どこか具合が悪いのですか?」
「いや、見ず知らずの君にここまでしてもらう理由が見つからなくて。」
「あなたの会社のコンビニでバイトしてます。何度か見かけました。僕は不肖の息子なんで医学部に行けませんでした。少しでも親に負担をかけたくないと思って…どうでもいいですね、こんな話。簡単に話すと僕はあなたが好きです。」
 好き?
 この言葉に男はピンとこない。
「さらに分かりやすい言葉を選べばホモってことです。」
「それは、ありがとう。でも僕は…」
 男はいままでたくさんの女の子に告白されては断ってきた。今回もそのつもりでいて、衝撃を受けた。
「いや、待って…」
 初めて自分が同性に興味があることに気付いた。


*************************************************************

 剛志くんと僕の主演ドラマはいきなりこんな展開だ。
「気に入らない。」
 台本を手にしていた零は床に投げつけるのではないかという勢いで握りしめていた。
「そんなにくしゃくしゃにしないでよね。」
「なんで剛志なんだ?替えてくれたっていいじゃないか。」
 零は会議で僕とのトレードを志願したが呆気なく却下された。
 後日、今度は剛志くんとのトレードを懇願したが再び断られた。
 「顔が綺麗な人がいいんです」
って言われて落ち込んでいた。
「なぁ、剛志と僕と何が違う?」
「何って…」
 剛志くんは追いつめられたようなギリギリのラインに立って必死に耐えている妖しさがある。
 反面零は目がキツい。怪しいが当たっている気がする。追うものと追われる者の差かもしれない。
 …実際は剛志くんが追いかける方で零は基本受け身だけどね。
「この後はどうなるの?」
 僕は渡された台本を零に渡した。
「これで裕二さんが絡むようなら陸は骨折する運命にあるかもしれないな。」
 僕は零の手から慌てて台本を奪い取った。
「痛いのはいや…」
「…絡むんだ…この脚本家、裕二さんだろ?」
 台本に書かれたキャスト、スタッフ一覧にある脚本家名『未来』の二文字を指して言っている。
「実紅の名前をもじったつもりなんだろ?」
 僕は頷いた。

*************************************************************

「恩をアダで返すようで申し訳ないけど、君のことを私は知らないし、突然告白されてもどうしたらいいか分からない。」
 男は素直に気持ちを口に出来なかった。
「けど。」
 続けるつもりで口を開いたが続く言葉が見つからない。
 青年はじっと待った。
「多くは望みません。知り合いになれたら、嬉しいです。」
「うん。友達に…なれるかな?」
「はい。」
 青年は本当に嬉しそうに笑った。


「君が学校へ行かないのは彼のせいか?」
 男は翌朝帰った。
 青年は父親に問いつめられ戸惑った。
「息子がホモだったら困るよね?」
「ああ。兎に角一日も早く跡を継げる準備を整えてくれ。」
 新聞に視線をおとしたままの父親に反発心を覚えた。
「進級できる見込みがない。」
「そりゃあ実習にも出ないでバイトなんかしていたら落第もするだろう。君には研究職を選んでもらっても困る。」
 青年は男にウソをついた。
 本当は医大の五年生だ。医大生がバイトに明け暮れているはずがない、確実に落第する。しかし青年はあえてその道を選んだ。男と知り合いになりたいがためだ。
「大学で研究をするのがそんなにいけないことなの?どうして家を継がないといけないの?」
 青年は父に反発した。
「…あいつを見返すためだ。」

*************************************************************


「涼ちゃんのことかな?夾にも色々聞いたんだね、大学のこと。」
「うん。パパは経済だから医学部のことは分からないからね。」
 多分、僕のことを餌にしたんだろうな。
「裕二さん、大学行ったんだ。だから経営者か…。」
 ううん、パパは自分の実力ではいれる一番無難な学部に行っただけ。ママのこと、忘れようと努力するための手段としての進学。だけど忘れることは出来なかった。
「あいつって誰だろう?」
 零、それはね…。

*************************************************************



「まだ言ってるの?僕は気にしていないから。」
「お前が女を愛さないのは敏美のせいだろう?」
「違うよ」


 男は自分のマンションに帰り着いた。あと一日はゆっくり休め…と言われたことを思い出し、幸いにも今日は土曜日なので一日寝ていることにした。

 玄関チャイムの音で目が覚めた。辺りは真っ暗だ。
「やっぱり、何も食べてない。ちゃんとご飯を食べるようにいいましたよね?」
「君、医学部だね。」
「え?」
「僕もそうだったんだ。三年で文学部に学部替えしたから卒業は文学部だ。」
「なんだ、バレちゃったか…実は悩んでいるんです。僕は人を騙すことが出来るかって。だったら好きな研究をしたいと考えているんですけどね。」
 キッチンでなにやら食事の支度をしている。
「何を研究したいんだい?」
「性同一性障害。」
 ストレートだ。
「雅也さんはどうして路線変更したんですか?」
「僕の名前まで知ってるんだ。…会社のIDプレートか。親にたてついたつもりだった。けどただ単に自分の夢を自分で摘んだだけだったよ。」
 青年が進路で悩んでいるのを黙って見ていられなかった。
「とりあえず義務は果たして、その時点で決めたらいい。」

*************************************************************


「もう、いいや。」
 斉木は台本を閉じた。
「どうだった?」
 少し躊躇いながら「陸さんに嫉妬した」と唇が白状した。
「陸に?」
 縦に頭が動いた。
「それだけで俺は満足。」
 剛志は斉木を抱き締めた。
「次の撮りはラブシーンなんだ。…なんかさ、俺は陸を誤解していたというか、ちゃんと理解しようとしていなかったように思う。今なら零と祐一が惹かれた理由がわかるような気がする。」
 頭の上から静かに響く声が心地良かった。
「…最初は陸さんと剛志の綺麗な映像が見られると思ってたんだ。まさかこんなに自分が嫉妬深いとは思わなかった。」
 くすり…と小さく笑う気配があった。
「それは…良かった。」
 剛志の本心だ。
「もしかしたらまだ陸に未練があるのかもと心配してた。俺は独占欲が強い。だけどこの手の顔にも弱い。」
「この手の顔って?」
「気の強そうな目を持った、我の強い奴。」
 斉木は抵抗しなかった。事実自分の我が強いのは自覚している。
「全てを手に入れるのはまだ先みたいだしな。」
「そうでもないよ。」
 意味深な言葉が返ってきた。

*************************************************************


「オレのこと、知りたい?」
 男は青年の目の前に立った。
「待っ」
 男は青年の背に腕を回し、右手で顎をとらえると上を向かせてじっと目を見つめた。
「キスしてみる?」
「…」
 そっと唇を重ねた。
 ただ、唇を重ねただけだったが、青年は膝から崩れ落ちた。
「どうし…」
 両目からポロポロと止め処なく涙が零れ落ちる。
 男は少し屈んで青年の腰に両腕を回すとひょいと持ち上げベッドに落とした。
「まずは、キスから教えてあげようか。」


*************************************************************


「ゆうちゃんって天才じゃないの?」
「ママ失敗したなって思ってない?」
「ないないっ」
 野原家のリビング。
 裕二のいない間にあきらが実紅を訪問…した理由は、ドラマの続きを先に読みたいという魂胆からだった。
「自分の息子をあんな役に使う?しかも親の私が言うのもなんだけど、キレイだよね。」
「うんうん、自分の弟だけどやっぱり好きだなぁ…」
「実紅、前言撤回。私涼を捨ててゆうちゃんの元に走る。」
「えっ!!」
「うっそーん」
「やだっ」
「だって、近親相姦はこれ以上増やしたくないもん。男同士だけで結構。」
「…ママ、その台詞をそんなにあっけらかんと言わないでよ。」
「仕方ないじゃない、零も夾も陸と寝ちゃったんだもん。」
「寝た…って…」
「あれだけキレイじゃ惑わされてもしょうがないかなぁって思うもん。」
 女同士の会話は、延々と続く…。


*************************************************************



「何があった?」
 青年の父親は直ぐに気付いた。
「君が大学に休まず通うなんて敏美がいたころ以来だろう?」
「敏美さんは関係ないから。」
「知ってる。この間の男だろ?寝たのか?」
 青年は顔を真っ赤にして否定した。
「僕たちはそんな関係じゃない。」
 父親は息子が同性愛者なのは気付いていた。
「敏美が同性愛者だったのが女性不信の原因だろ?」
「違う、僕は…ずっとお父さんがどうしたら僕に感心を抱いてくれるかばかり考えていたんだ…好きだったから。」
 父親は目を見張った。
「お父さんは僕が敏美さんを追いかけるから勘違いしていたんだね。」
「母親がいないのを不審に思わなかったのか?」
 否定の為に青年は首を左右に振った。
「敏美が…私の妹が同性愛者だったのに、私を疑わなかったのか?」
 首を縦に振った。が、途中で気付いた。
「お父さん…もしかして…」


*************************************************************


「ずるいな、裕二さん。陸を僕から横取りする気だ。」
「あ、やっとわかった?あいつって零のこと。パパは零のこと永遠のライバルだって言ってた。涼さんは友達なのにね。」
 苦笑した零は
「この続きは?」
と聞くので簡単に教えてあげた。
 父親は理性を失って今まで厳しく接することで封じていた想いをぶつける。危なく襲われるところなんだけど、男が偶然訪ねてきてことなきを得る。男はすっかり青年に興味を持っていて付き合うことになる。だけど男に片思いしていた幼なじみが出てきて青年はショックを受け勉強に打ち込むことにする。


*************************************************************


「雅也さんは彼女を大切にしてあげて。」
「いいのか、それで?」
「お似合いだよ…」
 男は頭がカッとなり、青年につかみかかる。そして二度目のキス。今度は深く、激しい想いがあふれていた。
「オレの気持ちは完全に無視なんだな?」
 青年は首を左右に振る。
「好きだ…お前の父親から奪い去りたい。ダメか?」
 青年は激しく首を左右に振る。
「なんか言ってくれよ。」
 三度青年は首を左右に振る。
「なんで…」
 青年は手にペンを持った。
『好きな人とキスしたら直ぐにおしゃべりしちゃいけないんだ。実らなくなる。』
「昔の歌みたいな話だな…オレでいいのか?」
 今度は首を縦に振った。
「じゃあ…キスから先もしたい…」
 青年は俯いて…頷いた。


*************************************************************

 都合二回、剛志くんとキスシーンがある。
「キスシーン撮ったら教えて。」
 そう言って零は映画の打ち合わせに出掛けた。
 このあとこの話は青年が大学をでるまで会わないでいよう、ということになって数年が過ぎる。父親を説得して大学院へ進学した。研究者を目指すことにしたのだ。
 二人は時間が合うときにデートをする関係。同棲はしない。なぜならパパの願望だから。パパのそばに僕を置いたままで僕の気持ちが零から離れていくのを待っている…ってことらしい。
 だから…僕はちょっとだけいたずらをした。



「監督。父から預かってきました。差し替えて欲しい…とのことです。」
 手渡したのはラストシーンの台本。


*************************************************************



「雅也さん」
 青年は名を呼ぶ。
「ん?」
 男は振り返りもせずに返事をする。
「好きです。ずっと、一緒にいたい。」
 ゆっくり、振り返り微笑む。
「毎日会いたい。」


*************************************************************

 バンッ
「陸!なんだよ、あれ!」
 パパがリビングに飛び込んできた。鍵を渡したのは失敗だったな。
「監督が絶賛してくれたよ。」
「だから誰が…陸か?」
「うん。」
「…そんなにオレが嫌いか?あきの提案、受けたくないのか?」
 パパが何か企んでいるのは気付いていた。
「みんな大好きだよ?だから僕を守ってくれる零をちゃんと受け入れて。」
「ちゃんと受け入れて二人の関係だって認めてやったじゃないか。」
「嘘つき。パパはズルいよ。僕が頼んだときには一緒にいてくれなかったのにいまさら一緒に暮らしたいって言われても困るんだ。僕は僕たちが新しく築いた家族が一番大事。誰よりも大切なんだ。」
 それでも今日のパパは引かなかった。
「だからみんな一緒に一つ屋根の下に…」
「無理。パパだって知ってるのに?僕が零に対してどんな不誠実なことをしたか。償いたいんだ。」
「夾くんは、そのままなのか?好きな相手にだけ償えばいいのか?」
「それは…」
くるり
 パパは僕に背を向け
「よく考えるんだな」
と痛いところを突きまくって帰って行った。
 パパは自分が辛い想いをしたから夾ちゃんが気になるんだろうな。でもパパの言う通りだ。
 遠くで僕の携帯電話の呼び出し音が聞こえる。慌ててリビングに戻り手にした。
「なあに?」
 相手はパパ。呼び出し音が告げていた。
「これから先、夾くんと再び向き合うことになる可能性はあるのか?」
「ないようにしようとしている。」
「なら、あきの提案は頑なに拒否しろ、いいな?それとドラマの撮り直し、明日だから。」
 言いたいことを言って電話は切れた。
 パパの脚本だと、二人は別れちゃうんだ。父親が倒れ病院を継ぐことになり、会えなくなりすれ違う…そんなのイヤなんだ。すれ違うのはイヤなんだ…。


「え?」
 翌日。
 撮影の為スタジオ入りし、メイク室から楽屋に戻った時だった、剛志くんが教えてくれたのは、週末だけの同棲だった。
「良かったね。」
「まあな。完全に引っ越す勇気はまだないらしい。だけど心配なんだと言われた。」
「心配?」
 少し嬉しそうな剛志くんの横顔。
「オレが心変わりすることはないだろうけど、ドラマであんな顔を見せられたら他の誘惑が心配なんだってさ。」
「本当に?良かった…。」
「都竹にはまだ内緒にしてやって欲しい。自分で言うって言うから。」
 僕は大きく頷いた。
 斉木くん、幸せになれたら、いいな。
「剛志さ〜ん、陸さ〜ん…」
 ディレクターが僕達を探しながら廊下を走っている。
「ここです〜」
 僕はメイク室から顔を出し、手を振った。
「あ〜、良かった。監督からなんですけど、最後に陸さんからもらった台本の方が良いから、断固撮影拒否を慣行することとなりました。」
 あらら…パパがピンチ。
「で、やっと裕二さんが折れてくれたんです、剛志さんと陸さんの濡れ場を入れようってことで。よろしくお願いします。」
 剛志くんと僕は完全にフリーズした。ディレクターは去って行った。
 濡れ場って…その…。
「私生活、出るよな?」
「絶対…」
「どうしよう、祐一…とか呼んじゃう。」
「僕も…零…なんて言ったら…どうする?」


*************************************************************


「ア…イヤダ…」
「ダイジョウブ、オレニ、マカセテ…」


*************************************************************


 台詞は互いに一言だけだった。あとはサイレントで画像もシルエット。だってゴールデンだから。
 だけど二人とも異常程な棒読みだった。
 出来るだけ互いの顔を見るようにして、意識をしっかりと現実に向けた。



「陸」
 撮影が全て終わった時、二人は下着姿だった。
「何度も一緒にお風呂に入っている仲だけど、恥ずかしいよね。」
 僕は思わずどうでもいいことを言ってしまった。
「零と二人の時、そんな顔するのか?」
 耳元で囁かれ、ドキッとした。
「…わかんない…自分で見たことないもん。」
「じゃあ、今度大きな鏡をプレゼントするよ。すっごくエロいから、陸の顔。…祐一には負けるかな。」
 あ、そういうことね。
「なんとなく、分かった。零が陸を選んだ理由。零は守りたかったんだな、守られるんじゃなく。だけど陸はちゃんと守ってあげている。それが、分かった。」
 え、そうなの?と言葉にしようとしたらスタッフの人たちがやってきて、言葉に出来なかった。


 これは後日談。
「なんだよ、このシーンっ。」
 ドラマの最終回。零は見終わって絶叫した。
「聞いてない…」
 そう言うと僕を寝室に連れ込んで朝まで…。
 まぁ、いつものことだけどね。


 でもこの直後、今度は僕が絶叫しちゃったよ。…映画館で。