025.秘密の部分
 すんげー、可愛かった。
 俺さ、睦城はずっと格好良くて憧れてたんだ。
 中学時代の睦城は水泳部で、夏になるとプールサイドでたたずむ姿とか好きだった。
 冬になると泳げなくなるから基礎体力ばかりやらされると愚痴ってていつの間にか辞めちゃったけど、もっと睦城が泳ぐ姿を見たかったな。
 俺と付き合い始めて運動から離れてしまって、それからすっかり線が細くなったんだよな。
 けど。
 それはそれで、可愛い。
 この男にはそんな一面もあったんだと、今頃認識した。
 この可愛い顔を苦痛で歪ませたくない。
 だから、ネットで調べて色んな道具を買いに行った。
 どうしたら睦城に極上の快楽を与えられるか。
 どうしたら俺も、睦城と一緒に高みに昇れるか。



 睦城を四つん這いにさせて、コンドームを袋から出す。
 潤滑剤を手に取ると掌で温め、睦城の後孔に塗り付けた。
 コンドームをそこに当てて、舌で襞を解していく。
 根気の要る作業だ。
 …この辺はサイトで調べた。なので実践するのは初めて。
「あ…んふっ…」
という音が漏れ聞こえるからきっと気持ちいいのだろう。
 時間を掛けてゆっくりと行い、襞がある程度解けてきた。
 今度は睦城を仰向けにひっくり返して腰の下に枕を入れる。
 股の間から手を入れて、円を描くようにゆっくりと指を挿入していく。
 指を二本に増やしたところで、目の前で揺れながら蜜を垂らしている睦城のそれを口に含んだ。
「ダメ、侑ぅっ、前と後ろ同時には無理ぃ、」
 でも、前を刺激したら後ろはするすると四本の指を飲み込んだ。
 ぐちゅぐちゅと水音が響く。
「ホント、無理なの、またイクっぅ、」
 言葉遣いがおかしくなっている。
 指を曲げたり伸ばしたりしてもまだ俺のサイズには及ばない。
 後孔がヒクついてきたので、口を離した。先端から透明な液が流れている。
 それはゆっくりと舐め取った。
 不思議と睦城の中から出たモノは不快感を感じない。
 寧ろ愛おしい。
 次に三角錐の形をした「拡張器」を、今まで指を入れていた場所に突き刺した。
 小さく「あぅっ」と呻いたが、痛みではなく挿入の驚きのようだ。
 これはリモコン操作が出来る。
 両脚を広げて膝を曲げさせる。
 後孔が顕わになる。
 三角錐の先端をリモコンで広げさせて円錐へと変化させる。
「睦城の中が、よく見える。」
「そんな、ヤダぁ。」
 睦城は両手で顔を隠した。
 大きく開いた後孔に潤滑剤を流し込んだ。
 間髪入れずにディルドーをゆっくり挿入した。
「あっ、あっ、なんか、イイ、これ、気持ち、イイ、」
「これで、イクなよ?」
「判ん、ない」
 後口から泡となって潤滑剤が溢れ出す。
 もう、睦城の顔は最高潮にエロい。
 そして、俺の方ももう、限界だ。
 ディルドーと拡張器を引き抜き、睦城の脚を肩に担いだ。
「挿入れる、から。」
「うん」
 虚ろな目で俺を見る。
 ガチガチな楔となった自身の先端を後孔に当て…。
「んんっ」
「あっん」
 一気に貫いた。
「熱い、侑の、熱い。火傷しそう。」
「睦城の中も、熱い。」
 どちらからともなく、キスをした。
「あ、コンドーム忘れた。」
「いい、今日は。中に、シテ。」
 睦城の腰が揺れている。
 俺は抜き差しをする為に腰を動かす。
 ギリギリまで引き抜き、最奥まで突き入れる、ギリギリまで引き抜き、最奥まで突き入れる、それを繰り返す。
 最初はゆっくり、徐々に早く。
「あっ、あっ、あぁっ、ふっ、んん」
 睦城は気持ちよさそうな顔をしているから多分大丈夫、きっと大丈夫。
 それより…すっげー気持ちいい、なんだよ、すっげー気持ちいいじゃないか!止まんねー。
 その時、顔に何かが直撃した。
「な、」
「あっ、あ、ごめ…イッタ、イッちゃったぁ、」
 俺の顔にべったりと睦城のモノが着いている。
 突然のことで驚いたにも関わらず、俺の動きは止まらなかった。
 睦城のそこはぎゅうぎゅうと俺を締め付ける。
「あっ、あっ、侑…すす…むっ、中、凄く熱いっ」
「痛くないか?」
 首をフルフルと左右に振った。
「睦城ん中、すっげーいいよ。」
 睦城が何か言ったけど、小さくて分からなかった。



 二人でぐったりと布団の上に倒れこんでいたけれども、身体が汗と精液でベタベタだったので、一緒に露店風呂へ向かった。