| 庭…と呼ぶには申し訳無い程度のスペースが玄関前にある。 ここに毎秋、枯れ葉が舞いちる。
 店とは反対側だが、やはり掃いておかないと積もってしまうので、2日に一回は掃く。
 ざっ、ざっ…と一定の心地いい音だ。
 「侑」
 「ん?」
 腕を解いて…と言おうとしたが、離れ難い。
 夕べも身体を繋いだ。いや、身体を繋がずにはいられない程、侑を欲している。
 愛しているなんて言葉では表しきれない。
 侑が今、居なくなったら生きていけない程、取り乱すだろう。
 「おはよう」
 目の前で、まだ目蓋が開かない侑が言う。
 「おはよう」
 名残惜しそうに応える。
 「夕べは、物凄くエロかった。」
 そう言うと僕を抱き寄せた。
 「お陰で、燃えた」
 ふふ、と笑う。
 慌てて身体を離そうとしたが、離してくれない。
 「意地悪だ」
 「どうして?睦城が俺を受け入れてくれるんだから、燃えない?」
 それは、そうだけど。
 「言わなくても、いいじゃん」
 諦めて顔を胸に埋めた。
 「今日は、店開く日だろ?庭を掃いてくる。」
 「了解。朝飯作ってくる。」
 やっと、解放される。
 
 今朝は、落ち葉が多い。
 本格的に冬が近付いている。
 抱き合って眠っても、汗をかかずに済むな…なんて考えてしまい、また顔が熱くなる。
 身体の奥に、侑の気配を追う。
 深く、浅く、深く、浅く、僕を追い詰める。
 ヤバい、また欲しくなる。
 落ち葉を纏めて、掘った穴に埋める。
 急いで屋内に駆け込み、侑の顔を見て落ち着かせた。
 「睦城、なに考えてた?顔がエ…」
 「言わないで!わかってるから!」
 神様はどうして性交に快楽を与えたのだろう?
 気持ちいいことは何度もしたくなる、して欲しくなる。
 「睦城」
 侑に呼ばれ、振り替えると抱き寄せられ、唇を奪われた。
 気持ちいい。
 下半身に血液が集まる。
 「今日は、外出禁止。」
 釘を刺された。
 「さてと。朝飯、食おう。」
 さらりと、侑が流してくれた。
 「今夜はご馳走みたいだからな、一日頑張ろう。」
 僕の顔が、一気に熱くなった。
 きっと、真っ赤になっているだろう。
 でも、否定はしない。
 |