|  もそり、雅之が寒そうに身を縮めた。そっと腕を回しその身体を抱き締めた。
 安心した顔で眠っている君にそっと口づけた。
 頭上のカーテンをそっとめくって見ると外は白かった。
 そろそろ起きるぞ…と合図を送る。
 「予報通り、雪になったな」
 「そうなのか?だからこんなに寒いんだ」
 歯ブラシを銜えたままリビングの窓から外を見る。
 「凄いなぁ〜舞ってるよ…奇麗だなぁ…」
 そんな無邪気な笑顔で俺に振り返らないで欲しい…。
 君と迎えるクリスマス、君と迎える正月、永遠の先には何があるのだろう。
 「遅刻するぞ」
 いつの間にか洗面所から戻ってきていた君はぼんやりしていた俺の腰を抱いた。
 「ばーか」
 耳元でそう言うとすっと離れていった。
 「今年はどこのスキー場に行くんだ?」
 「飯山」
 「飯山?」
 そうだ、飯山なら雅之と二人っきりで滑れる、そうしよう。
 「今度の休みにウェアーを見に行くぞ」
 「うん」
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