「いい加減、機嫌直してくれないかな…」
それくらい、分かってる、だけどタイミングを逃してしまったんだ。
予定通り東京へ元旦に帰り、二日に大阪にトンボ帰り。
初夢は二人で見たかったから…本当はあまり長い時間離れていたくなかったから。
なのに俺はふくれっ面。
それは12月31日の夜が悪いのだ…。
「武…本当にいいんだな?」
こくん
それはまるで少女のようで、俺は淫行なんじゃないかと錯覚するくらい、武は恥じらった。
「男同士だろ?そんなに照れなくたって同じ構造だよ」
「うん…」
そう思った俺は浅はかだった。
一枚ずつ服を剥いだ。
中から現れたのは俺とは比べ物にならないほど清楚な身体だった。
身体の中心部分ははち切れんほどの大きさになっているのに、綺麗なピンク色をしていた。
「武、可愛い」
思わずそう声を掛けた途端、武はポロポロと泣き出したのだ。
「どうしたんだよ」
俺は慌てた。
「好きなんだ…横山のこと、好きなんだ…けど、怖い…」
その後、暫く俺の理性を静めるのにどれくらいの努力を要したか察して欲しい。
本当にあの時の武は可愛かった、愛しかった。
なのに据え膳食わされた俺は機嫌を損ねるしかなかったのだ。
「今夜は泣いても喚いても俺の好きにするからな」
こくん
武は確かに頷いた。 |