= 予後不良―明日はね― =
「武さんって、横山さんがめちゃめちゃ惚れるくらいやから可愛いいんか?」
突然、何を言うんだ、こいつは?
俺は返事もしないでテルの頭を両手で掴むと乱暴にキスをした。
「…会いたかった」
恋しくて恋しくて仕方なかった。
「わいもや。」
テルの腕が俺の腰を抱く。
「今夜はしてもええか?」
電話で、ずっと口説かれた。俺を抱きたいと、テルは言った。
考えて、結論を出したのは先週の金曜日。
「まさか、こんなに早いとは思わなかった。心の準備が出来てないよ。」
しかし、テルの耳には届いていなかった…


「バカ、バカ、バカ、バカ〜ァッ」
俺は立たぬ腰をさすりながら笑っているテルを罵倒した。
「お前には節度がないのか!ご・ご・五回だぞっ」
それでもニコニコ笑っている。
「可愛かった、夕べの雅治。」
この男わぁ〜
「暫く禁欲!」


「勝浦くん?あれ?」
翌日。テルも横山先輩も大阪に帰ってしまって、部屋で食事の支度をしていたときだった。
「大丈夫、三日もすれば普通に歩けるよ。」ばればれだ。